日本国旗 英国国旗  ようこそゲストさん! ログイン

WISTORY

WISTORYはワインを愛する人々のための便利ツールです。

WISTORY 管理人日記の表示/本・テレビ

管理人コラム

日記デザイン

古いワイン本の選別3 「ワインジャーナリストが唎く」

カテゴリー:本・テレビ

2013-07-10

写真


今回は、「ワインジャーナリストが唎く ~世界葡萄畑最前線
~」有坂芙美子著 1987年発行 である。



私は極めて記憶力が悪く、沢山読んだワイン本で記憶のあるものは少ない。そんな中で、この本については面白いから読んでみたら? と友人に薦めた記憶がある。けれど、内容までは憶えていなかった。



■ 1980年代のワイン界を感じさせてくれる一冊



著者である有坂さんは、日本初のワイン専門誌『ヴィノテーク』
の創業者にして、日本を代表するワイン・ジャーナリストであ
る。彼女は精力的に世界のワイン産地を取材して回り、そこで得た情報、思ったことなどを生き生きと書いておられる。



1980年代と言えば、日本ではバブルである。しかし、それ以上に
1980年代というのは、あの不幸な第二次世界大戦から35年以上を過ぎ、本家のヨーロッパでも、新しい産地のアメリカやその他の地域でも、ワイン造り(ぶどう作り)に専念し、改良を重ね、投資も行き届いて良い時代に差し掛かっていたと言える。



そんな時代の現場を感じることができる一冊ということになる。



■ フランスのウエイトが低いところが面白い



本の冒頭はアメリカから始まる。それ自体珍しい。そしてフランスの扱いはわりとあっさりだ。フランスの情報は他でもきっとわかるし、そんなことよりも、違う地域に目を向けているところが魅力的だ。



現実に自分自身が接するワインも圧倒的にフランスモノが多く、
アメリカやオーストラリアのものについては知識も浅く、値段の割に美味しいかというと、そうでもないような気がして、なかなか手が出ない。この本を読むと、もっと世界に目を向けないと…と思う。



■ なぜamazonにも出てこない?



前の二冊はamazonで古本が売られていたが、この本は見つからなかった。専門的すぎてあまり売れなかったのかも知れない。実際初心者向きの本ではないけれど、読みごたえはある。



とりあえずワインの歴史書として?持っておこう。


日記デザイン

古いワイン本の選別2 「ワイン道」

カテゴリー:本・テレビ

2013-07-08

写真


今回は、「ワイン道」 葉山孝太郎著 1996年初版。

■ ミーハーな書き口だ

葉山孝太郎氏はウィキによれば、自らをおちゃらけワインライターと言っているらしい。
有名ワイン虎の巻など、にわか仕立てでワイン通ぶるにはこれだけの知識を持っておこう的な内容に溢れている。今回読み返した時に、これはバブル時代の本だろうと思ったが、実はもう少し新しかったのでびっくり。

それでもワインライターさんであるから、まともな事ももちろん書いてある。

■ さすがにマスコミや出版関係のエピソードは面白い

パーカーやワインスペクテーターに関しての記述も、それらをヨイショするのではなく、そこそこ核心を突いた内容になっている。
結局パーカーは濃いワインが好きなんだとか、ワインスペクテーターは一握りのお金持ち向けなので、一般のワインファンから嫌がられているなど・・・。

■ 結論としては捨てることに

軽い読み物としてはいいかも知れないが、とって置くほどの価値はないと私は判断した。
これを読んで喜ぶような人は、先般話題になった村上春樹の「色彩を持たない田崎つくると、彼の巡礼の年」をオープンカフェでカバーを付けずに見せびらかして読むような人物だと思う。


日記デザイン

古いワイン本の選別 「ワインを聴く」

カテゴリー:本・テレビ

2013-07-05

写真


家に本が溢れている。どれを捨ててどれを置いておくか? その選別をしたいと思う。従って、ここで出てくる本はかなり古いので、悪しからずというところです。

今回は、「ワインを聴く ~テースティングの奥義を極める~」伊藤眞人著、1990年初版です。

この本の特徴を列挙します。

● 表題にあるように、テイスティングについて、非常に詳しく書かれている。詳しすぎて、また、すごくシビアすぎて、プロ向きである。

● ワインの表現というところで、図に描くことを試みている。この図を見ると、ワインを飲んで、それを表現することの難しさを感じる。他の言葉に置き換えても、図に描いてもやっぱりワインを表現することはできないんだなあと痛感する。

● 世界のワイナリーにアンケートをした結果が掲載されている。これは非常に面白い。
①ワインづくりの職人として、求める理想のワイン像というものをおもちのことと思いますが、それはどのようなワインでしょうか? に始まり、⑦番目までの質問があり、回答が日本語訳で掲載されているのだ。有名ワインの造り手からの回答がしっかり集まっているのが魅力。

以上のような感じで、特に3つめがいいから、この本は捨てないでおこう。


日記デザイン

「ワインの基礎力 70のステップ」を読んで思ったこと

カテゴリー:本・テレビ

2013-07-02

写真


この本は2006年初版で、著者は石井文月さんとなっている。
現在は『ワインの基礎力 80のステップ』が売られており、著者は斉藤研一さんということなので、要注意です。

■ 詳しくてデザインも美しい本

この本は、かなり専門的で、ターゲットはソムリエを目指す人とか、ワインを商売にする人などプロのようです。
ぶどう栽培から、産地、ワインの製造技術、テイスティング、生産者など、内容は多岐に渡っています。

ブラックとグリーンの二色刷りで、図が多く、それらのデザインもきれい。出版社が美術出版社ということなので、そのせいでしょう。

■ へーぇ! と ウーン!

変な小見出しをつけてしまいました。というのも、大体自分の知らないことが書いてあったら「へーぇ!」と感心し、自分が知っていることで見解の相違があると「ウーン!」とうなってしまいます。

この本には両方があって、結構「ウーン!」も多いですね。「ウーン!」が多いと、本全体が信じられなくなるのが困りものです。別にこの本をけなしているわけではないんですけど、非常にスタンダードな内容、ということは、ソムリエさんなどの知識に近い内容という感じでしょうか?

先入観なしに、ともかくワインを楽しもうという私のような人間
にとっては、「ウーン!」という部分が多いようです。

■ 実践編に多かったウーン!

当然そうですよね。実践編というのは、実際にワインを楽しむ部分で、テイスティングとか、温度、料理との相性の部分です。

書いてあることはいわゆる教科書通りで、そういう意味では合っているし、もしテストを受けるなら、この本に書かれているように憶えておかないと点数はかせげない。でも、実際に飲んでみると、教科書通りではないことも沢山あるのです。

例えば「甲殻類に赤ワインは相応しくない組み合わせ」だと書いてありますが、実際、ソース・アメリケーヌなどには、軽めの赤は合うんですよね。

紙幅があるので、細かいことは書けなかったのだと思いますが、いずれにせよ、広く浅くの本であることは間違いありません。

■ コンパクトにまとまった参考書としてはいい

何かわからないときに、さっと見て参考にするには、よく整理されており、検索性も優れています。
そういう意味では入門時の虎の巻として置いておくと便利かもしれません。


日記デザイン

おすすめ本 「ワインの謎解き」

カテゴリー:本・テレビ

2013-06-25

写真


1998年初版の、安間宏見著の本です。この方は「桜喰亭」というワインレストランを経営されている方で、独自の視点でワインをわかりやすく解説した内容になっています。



■ 実はちょっとマニア向きかも



「AOC」を原産地呼称証明と訳すのはおかしい・・・とか、
「高い」と「いい」と「うまい」は関係ない・・・とか、かなり
ズバリと常識?を覆すことを言っておられて、まさにおっしゃるとおりと私は思いますが、けっこうマニアックかも知れません。


しかし、多少ともワインの経験があって、飲むにつれ疑問を感じている人にとっては、とても明快に解を提供してくれる本です。



■ ワインの全体像を知るにはとてもいい本



実は私、写真の単行本ではなく、文庫本を古本で買って読みました。文庫本で380ページで、厚さは1.6センチ。ほとんどがフランスワインを中心に書かれているので、フランスワインを代表としてワインの全体像は網羅されています。



内容は多岐にわたっていて、もちろんぶどうの品種、気候とぶどう、土壌や地質学的な歴史を追った記述、流通と価格など、いろいろなことがわかります。しかし、個々についてはそれほど詳細に触れられないことはいたしかたないというところでしょうか。



■ 面白かったセカンドラベルに関する記述



ボルドーの有名シャトーのワインにセカンドラベルのあるものが存在することは、少しワインをかじった人なら知っていることです。では、なぜセカンドが? という部分で、面白い推論を書いておられます。それが本当かどうか、私は知りません。



氏いわく、ネゴシアンが牛耳っているボルドーのワインの場合、シャトー(造り手)は、法律にもネゴシアンとのしがらみにもがんじがらめにされて、安定はしていても意欲を失ってしまう。しかし、意欲の喪失は品質の劣化にもつながるので、シャトーが自由にしてもいいモノとしてセカンドラベルをネゴシアンが認めたのだろうというような主旨でした。実際はどうなのか? また、真実を知る機会があれば報告したいと思います。



■ 上記は一例で、面白い解釈がいっぱい



すでに書いたように、なんでこのワインはこの値段でこんなに美味しいの? とか、なんでシャブリは白ワインだけなの? とか、何か疑問を感じたら、まずこの本を読んでみると、それこそ「謎」が解けるかも知れません。



著者はこの本を書かれるまでに、相当沢山の本も読まれ、自分で味わい、売買もしてから、独自の切り口で解釈を試みておられるようです。初版が10年以上も前なので、実際にはもう修正を必要とする個所もあろうかと思いますし、かなりユニークな部分もありますが、読んで損はしないと保証します。


タイトルINDEX

(本・テレビ)



2013-07-10
古いワイン本の選別3 「ワインジャーナリストが唎く」


2013-07-08
古いワイン本の選別2 「ワイン道」


2013-07-05
古いワイン本の選別 「ワインを聴く」


2013-07-02
「ワインの基礎力 70のステップ」を読んで思ったこと


2013-06-25
おすすめ本 「ワインの謎解き」


2012-05-22
「アンリ・ジャイエのワイン造り」を読んで


2012-01-23
明石家さんまの素直なワイン評


2012-01-04
ソムリエ林基就さんの番組を見て思ったこと



カテゴリーINDEX



ワインの成り立ち (17)


造り手・ワイナリー (8)


ワインと料理 (15)


ワインの科学 (9)


ワインショップ (27)


ワイン周辺ツール (4)


レストラン/ワインバー (19)


本・テレビ (33)


データ分析 (19)


ワイン以外のお酒 (6)


その他 (116)


1 2 3 4 5 6 7


利用規約 ご利用のガイドライン プライバシーポリシー

Copyright(C) WISTORY